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 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


晩秋 朝夕ひときわ冷えこむようになりました。今年 の年度計画も皆様の御協力のもと成功することが出来ま した。いつもながら感謝いたします。今月は先月のつづ きから始めます。「教師と児童生徒との関係」は、一期 一会であり、社会的には教育制度下に置かれています。
教員として一定の資格と、教師としての資質を要求され るのは当然であり、それに応じる努力を避けて通ること はできません。文化の伝承は強制であるとはいえ、未完 成の児童生徒への緩衝地帯に立っているのかが教師であ ります。言語文化の花を開かせる責務を負う教師は、な かんずく国語教師は、文字を教えることに誇りと自負と を抱くことこそ、学習効果の近道ではないだろうか。こ こまできて「漢字仮名交じり文」ということの重要さを 思い知らなければなりません。
 漢字伝来の時には、日本語を表記する苦闘が払われま した。漢字から片仮名を分離して、付属語として機能を 持たせ、日本語の文章を練り上げ、また、漢字の草書体 から派生した平仮名によって和文脈の文章を完成しまし た。このような文章形態を、疑いも無く日本語表記とし てきました。ところが明治期に日本語の表記を音韻文字 とするという条文ができあがり、半世紀を経ました。米 国教育使節団報告書にも、日本語のローマ字化が勧告さ れ百家騒鳴、日本語の音標文化への道は広がりを見せた。 その状況の中で、第六期国語審議会においては「国語は 漢字かな交じり文を以て、その正則とする。」ことの自 明の故に敢えて声明は出さないとの結論となりました。 昭和四〇年一二月九日の新聞は、「国語審議会において は、今日まで漢字仮名交じり文を前提として審議を行っ てきた」と報じました。
 今年も寒さにつれて残りわずかとなりました。しっか りと前を向いて進んでいきましょう。


条幅作品の解説
阿 保 幽 谷
「高 清」
○書体―隷書・二文字
○読み方―高清(こうせい)
○意味―空高く、心が清いこと。
○学び方
 ● 心構え―人間は空のように高く広いことが大切です。そういう人は心が澄んで清ら  かであろうと思います。そういう心の持ち方を持ちたいと思いながら文字を書いてい  くと、きっと良い人間になることができると思います。そういう気持ちで書いてみま  しょう。
   ● 筆は―書き初めを書く少し太い筆を用いました。
   ● 全体のまとめ方―半切の画仙紙に二文字を書く関係で余白が広くあきます。あまり   あきすぎるのもどうかと思いますので、少し太い筆で、大きく、太く書きます。  墨水をたっぷりつけて書きますが、一文字書くうちにだんだんとかすれてきます。そ  れでもかまわず「高」を書き、次に「清」を書きますが、かすれてもかまいません。
    さんずいまで続けて書きます。さんずいを書いたあと「青」は墨水をつけ直して書  きます。書き終わって見ると、墨色の変化が出ています。こういう墨色の変化も研究  してみて下さい。
  ● 文字のまとめ方―隷書の文字は、一般に横長ですが、半切に二文字を横長に書くと、  余白があきすぎてまとまりにくいですから、余り横長にこだわらなくてよいと思いま  す。少したて長の字形に書いてみました。ただし、同じ線が続くときは線と線の間を  せまく書き、他の部分を長く書いてバランスを保ちます。
   ● 用筆(筆づかい)―筆づかいは、隷書を書くように逆筆に筆を入れて書きます。逆筆  で書くと、線は太く書けますし、力強さが出ます。そして、線の途中を細くしないこと  です。
 


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