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 先生からの言葉(巻頭言



明治以後の教科書にみる   「いろは」図鑑(四)
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


 今月より、㋠から㋦までを学んで行きます。 ㋠これが明治期国定第一期国語教科書です。 『尋常小学讀本三』。小学二年生用ひらがな の「あいうえお」を提示しています。文字学習 には「いろは」が優れていましたが発音学習 に便利な「あいうえお」が中心になり、「いろ は」は巻末に添え物のように置かれ、昭和八 年発行の「サクラ」読本までこの状態が続き ます。
㋷はずっと時代が下がって昭和十四年の『小 学國語讀本』。本当の活字本で、重要なのは、 仏教説話を『修行者と羅刹』という課で、「い ろは」の解説が出ているところです。「色はに ほへど散りぬるを、我が世たれぞ常ならむ。 有爲の奥山今日超えて、淺き夢見じ、醉ひも せず」これは「花は咲いても忽ち散り、人 は生まれてもやがて死ぬ。無常は生ある者 のまぬかれない運命である。生死を超越し てしまへば、もう淺はかな夢も迷いない。 そこにほんたうの悟の境地がある」と意味 を明らかにしています。明治十九年から「い ろは」ではなく「あいうえお」が主流になって います。
㋦その後、国民学校になって、芸能科習字で 教材としての「いろは」が組み込まれ、大き く復活し、「いろは」の歴史にとって大事なこ とです。これが昭和十六年、井上桂園による 「てほん」でいろはが復活しています。
 そして太平洋戦争開戦の年となり、教科書 を続けて見ていくと歴史的な変遷が感じられ おもしろいものです。

5月度スピーチ


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