TOP ⇒ 先生からの言葉

 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


 もう二月、年明けから大変な事が起こり、世界中いろ いろありますが、皆様の安全なる生活と健康をお祈りい たします。又、今年も努力して行きましょう。
◎楷樹彫刻芸術  先年、初詣のコースに湯島聖堂を組み込み、楷樹彫刻 の孔子像を入手しました。その説明書(中国現代文全文 七百余字)により、楷樹彫刻に寄せる民族文化のプライ ドを読み取ることができました。
「孔子故里伝統工芸楷彫」説明書
 所謂伝統の楷彫刻とは、楷の木を以て制作の原料とす る彫刻芸術作品である。これは孔子故郷である中国山東 省曲阜の特有の四大工芸の一つである。その歴史は悠久 で、源は遠い。楷樹は僅かに、孔子が生誕し墓葬地であ る曲阜孔林の貴重で有名な樹木の一種である。この一樹 種は、孔子の死後に、子貢や他の弟子が喪に服している 時に南方から持ってきたと伝えられている。その木の質 は堅く密で、柔軟で腐らず、乾燥しても裂けず変形せず、 色艶は古雅で長期にわたる保存に耐え、強い性質で、彫 ることができ、刃痕がはっきりとして、表現に好適であ る。孔子の故郷に産することの意義は更に重要で、近年 では多く得ることが出来ない。実に希世の珍品であり、 現在の一つの宝と言うべきである。楷を彫る芸術には、 曲阜の約二千年の歴史がある。伝えられるところによる と、孔子の弟子が、まっすぐな木で孔子及び夫人二官氏 の完全な座像を彫刻し、南宋の建炎年間に至って孔子四 八代の孔端友は珍蔵したと伝える。西漢の始め、孔子九 代の孫孔騰は楷枝を杖にしていた。多くの彫刻芸術品を 制作された。このように今年も平和で美しい日本の伝統 を皆で守って発展できるように健康で一歩一歩前に進ん でいきましょう。


条幅作品の解説
阿 保 幽 谷

作品―漁翁夜傍西巖宿。曉汲清湘燃楚竹
出典―柳宗元(西暦七七三年〜八一九年)の「漁翁」という七言詩の中の十四字である。
書体―隷書風の書体である。
 隷書の特徴は、逆筆、蔵鋒を用い、文字の形が横長で、大体横に文字がそろう。
読み方―漁翁、夜、西巖に傍うて宿し、曉に清湘を汲んで、楚竹を燃く。
意味―漁をする老人は、夜、湖南省の西巖というところで宿をとり、暁け方、清い水を  くんで、篠竹を焼く。
 朝のさわやかな風景を描いた文章である。
語訳  ●漁翁―漁をする老人
  ●西巖―湖南省の南方の湘水のことで、水が清いことで知られる。
  ●楚竹―篠竹のことで、楚は竹の多いことで楚竹と呼ぶ。
○学び方―朝のさわやかな気分を思って書くとよい。
  ●全体のまとめ方―二行に十四文字を半切に書く。この場合、一行目は八字として、  二行目は六字にし、一行目は二行目より文字の数を多くする。二行目は一行目より終  わりが上で終わるように書くのが半切の常識となっている。
  行の中心は揃え、横は文字が並ぶのが隷書の書き方である。したがって行間は狭く、   字間が広い。
  ●文字の形―一つ一つの文字は横長な文字にする。したがって、横の線を長く、縦の  線は短くするとよい。
  ●線の書き方―太い線と細い線を用いて変化をつける。ただし、右が太い線で書いた  ら左の文字は細い線で書くように、ゆずりあって変化をつける。また、一字の中でも  太い細いの変化をつけてバランスを保つようにするとよい。書いたあと、作品全体が  まとまるようになると、よい書といえる。  
 


copyight (c) 2008 all rights reserved by shoken
designed by ingusto