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 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


 今年もあとわずか、書研会長としてしっかり責務をは たせましたのも皆さんの御協力と御尽力のおかげだと感 謝しています。
 さて第二章 筆順についてを学んで行きます。一文字 の点画を書き上げる順序を意味する用語として、「筆順」 が通用している。小学校では発達段階に応じて、「かきじ ゅん」(一年生)「書きじゅん」(二・三年生)「書き順」(四 年生以上)と教えられている。他に筆順を意味する語と して、次のようにも用いられている。
 運筆・用筆・運筆順・運筆前後・運筆順序、書道用語 として「運筆」とは、筆はこびの速い遅いなどの場合を 言うが筆順を意味する場合にも用いられていた。
 ○川の筆順  筆者が筆順に興味を抱いたのは、「川」の筆順を真ん中 から書くという『大菩薩峠』に出会ったからであった。

「お師匠様、川っていう字は、真ん中から先に書くんで すね、端(はじ)から書いちゃいけないんですね。」
「そうです、真ん中から先にお書きなさい。」江戸時代 では行書体が基本となっていたお家流が専用書体であり、 入門期の手本を見ても平仮名のいろはの後は漢字の行書 体である。『大菩薩峠』の作者中里介山は、学校教師の 資格を取り、明治時代の後半には小学校にも勤務した。
未完ながら三十年近く書き続けた大作である。私はある 時期から文学作品中の書道関係描写の資料を集め始め、 何時何処でどのような状況で「他生の巻」の寺子屋の場 面に出会ったのか記憶にはない。「川」の筆順について も何らかの拠り所があったのであろうと資料集めの動機 となったのです。また書研の皆様のご健勝をお祈り致し ます。
よいお年を。 12月度スピーチ
 


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