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 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


あけましておめでとうございます。  
平成三十一年の年頭を迎え、謹んでお喜び申し上げま す。
今年も日本文字について学習していきます。※『日 葡辞書』この辞書の出会いは、「漢字」というネーミング 問題です。
神田の古書街にふと分厚い装丁の外国語辞書 が目につき見れば「Canji」続けて「Taitonoji」とあり、 岩波書店の邦訳『日葡辞書』(昭和五五年)が刊行される 以前でありましたが、「大唐の字」ということが理解しました。
その後「平仮名」と「手鑑」の用語が『日葡辞書』 初出であることを確認し、書道関係の用語を抽出するこ とを思い立ちました。数年後に学会発表の運びとなり、 以後、内容を充実させながら二、三の関係誌に寄稿しま した。
また『日仏会館』のゼミナールに招待され、その講演内容のフランス語訳が『日仏共同研究論文集』(日仏 会館他 平成十八年)に収録されました。
このように私にとって『日葡辞書』には深い思い入れがあります。  
これは押しつけという思い上がった挙ではなく、日本の室町時代の生活と日本語の発音がポルトガル式のロー マ字で克明に現代に残されている資料をお伝えしたことをご了解いただきたいのです。
刊行は慶長八(一六〇三) 年、徳川家康や、織田信長、豊臣秀吉などの戦国時代の 武将や、京都の公卿、一般庶民の使っていた日常用語も 数多く収録されています。
そのポルトガル語の原題を翻 訳した書名は『ポルトガル語の説明を付したる日本辞書』となっています。
イエスズ会宣教師数人が日本人の 協力を得て編集しましたが、その個人名は知られていません。
語数は三二八五三語とされ、用語例やローマ字に よる発音など、辞書としての形式・内容に近代的体裁を 備えています。
今年一年一歩一歩、努力をつみ重ね、く じけず進んでいきましょう。

条幅作品の解説
阿 保 幽 谷

「雪 月 花」
○読み方 ― 雪月花(ゆきつきはな)
○意味 ― 日本は自然に恵まれ、四季の変化の美しい国です、「雪月花」は四季の美しさ  をのべたことばです。昔から寒い時は雪は厳しいけれど美しい情景をあらわしてくれ  ます。月は日本人の心をあらわします。月にむら雲とか、おぼろ月とか、もののあわ  れをあらわします。「花」はなんといっても明るくしてくれます。日本の代表的な花  といえば「さくら」とか「菊」を思い起こします。「さくら」は三日見ぬまの桜といっ  て美しく咲いたかと思うと、パッと散ってしまいます。この姿を日本人があこがれま  す。春のさくらは、冬の厳しさをのり越えてきた後だけに、あこがれが強いのかも知  れません。「菊」は秋ですが、昔から不老長寿に関しています。菊は切り花でも長く生  き続けます。「冬菊のまとうはおのがひとりのみ」(水原秋桜子氏)じっと耐えている  冬菊もいいものです。

○学び方  
●心構え ― 四季の変化を通して、日本の美しさをつかみましょう。「雪月花」は自然  の代表です。文字は心をあらわしますから、その気持ちになって書いてみましょう。  
●全体のまとめ方 ― 三文字の行書ですが、大きく、力強く、思い切り書いてみましょ  う。中心と余白に気をつけて下さい。  
●文字のまとめ方 ― 「雪」は、かんむりの横画を長く、あとは短くしますと、たて  長になり文字のバランスがとれます。「月」は、たて長の形で、たて画を内側にそり、  転折とはねは力強くはね返して下さい。「花」は、ここで墨つぎをし、筆を立てて細  く、月よりも幅広くたて長の形にします。  
●用筆・運筆(筆づかい) ― 線の方向に変化をつけてバランスを保ち、「雪」のでだ  しを太く、「花」は線が細く、方向に気をつけて、筆の返しを強くして下さい。
 


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