TOP ⇒ 先生からの言葉

 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


もう葉月 残暑なお厳しい日が続いております。おか げ様で第三六回全国書写書道展の審査も無事終了しまし た。スタッフ一同今、一生懸命、展覧会準備を進めてい ます。
 前回の動きの中で、教育漢字について、次のように新 聞紙上に現れることとなります。
(都合により大見出しのみ)
①昭和五二年五月一日
 A紙「文部省の活字の一本化要請╱筆使いでもめる教 科書╱コスト増、業界反発」
 B紙「まちまちの教科書活字体╱もめる一本化╱コス ト増、業界反発╱文部省要請」
②五二年六月八日
 文部省「新漢字表原案」を教科書体で発表 (「当用漢字別表」では明朝体であった。)
③五二年七月二三日
 文部省告示「小学校学習指導要領」
④五二年七月二四日
 A紙「はねる?はねない?╱漢字の字体統一╱生徒の 混乱を避ける╱テストどちらでも良いが」
⑤右 同日
 C紙「49字の標準字体変更╱「正しい漢字」に〝幅〞 ╱正誤判定、難しく╱教育現場に新たな混乱も」
⑥右 同日
 D紙「〝字体統一〞これでスッキリ?╱異体も×にし ないというが限界は・・・「女」は上に出る「主」はは なれる「耳」はつき出る「年」はつながる╱教育を窮屈 にする╱子供の混乱を救う╱反応さまざま」
⑦ ⑧は「教育漢字標準字体」への動きはあらまし推測 いただけたと思いますが、補足を加えながら復唱するこ とにします。今月はまた検定月であります。暑さに負け ること無く前に向かってしっかりと資格を身につけて進 んでいきましょう。努力は実をむすびます。


条幅作品の解説
阿 保 幽 谷
○作品―千里鶯啼緑紅。水村山郭酒旗風。南朝四百八十寺。多少楼台煙雨中。
○読み方―千里、鶯啼いて、緑、紅に映ず。水村、山郭、酒旗の風。南朝、四百八十寺。  多少の楼台。煙雨の中。
○意味―これは、有名な詩である。題目は「江南ノ春」 作者は杜牧(西暦八〇三年〜  八五三年)で唐詩である。こういう詩を七言絶句という(ひとつのまとまりが七つの  語からできているので、七言、そして、七言が四つあるのを絶句という)。 ○意味―遠くまで鶯がないて、あたりは緑や赤い花に囲まれ、水辺の村や、山里には酒  をのませる店があって、その旗がハタハタとひらめいている。南朝は、南京を中心と  した江南の都は、仏教が盛んでお寺が沢山あり、高い建物に雨が降って霧のようにな  ってかすかに見えている。といった江南地方の美しい春のようすを詩にしたものであ  る。
 ● 心構え―静かで美しい春のようすから、心を静かに落ち着かせ、のんびりとこの詩  のように書いてみたい。やわらかさをあらわすように草書で書いてみた。いくら草書  で書いても、ことばが読めなくてはならない。また、意味がわからなくては書は死ん  でしまう。
  ことばが読めて、意味がわかって、文字の表現をつかむとよい鑑賞が出来るし、書  ける。そういう書の勉強をしたい。したがって、解説を書のわきにつける努力をした  い。
 ● 全体のまとめ方―三行書きは、中心をしっかりすることと、文字の大きさに気をつ  ける。墨つぎは、三か所で、「千、水、南」である。変化をつけて、どのようにまと  めるかを自分なりに考えるとよい。また、文字のつながりに気をつけたい。
 ● 文字のまとめ方―大小、形の変化を工夫してかく。
 ● 筆づかい―太い細いの変化に気をつける。
 ● 筆は、半紙を書く筆を用いた。
 


copyight (c) 2008 all rights reserved by shoken
designed by ingusto