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先生からの言葉
先生からの言葉(
巻頭言
)
「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘
新しい年を迎え、早一ヵ月、如月(きさらぎ)草木の 更生することで、土の中で眠っている虫や草や木の芽も、 春の来る日を待っている季節です。
第七章 文字草創期の伝説説話
中国大陸で創出された文字についての伝説は、黄帝の 時の記録係(左史)であった蒼頡に始まった。生まれな がらに聖で四つ目であったといいました。鳥の足跡から 文字を作り出し、それまでの結縄の政治から一躍発展し た体制に導きました。『准南子』の注に、蒼頡始視鳥跡 文(蒼頡が始めて鳥跡の文〔あや、模様〕を視て)、増書 契(文字を増やした)、則去本拝趨末(また人道の基本か ら外れ末節に赴いた)、棄耕作之業(生業の農耕を捨て)、 面務錐刀之利(小さな物事の利益を得る仕事をするよう になった)、天知其将餓(天は餓え苦しむことを知り)、故 為雨粟(そのために粟〔注 脱穀しないモミ〕を降らせ た)、鬼夜哭(鬼〔注 死んでまた成仏していない人の魂〕 は夜になると大声を出して泣いた。)とあります。
注①「天ガ粟ヲ雨降ラス」とは、太陽が西から昇り川 が逆流する即ちあり得ないことの意ともされている。
②「鬼夜哭ス」とは、自分の生前の悪行が文字に記録 されることを悲しんだ意ともされている。
③三月二八日の蒼頡の生誕記念日ともなると「文字」 によって身を立てようとする男たちは、西城区宝禅寺胡 同に位置する蒼頡廟に参詣していました。そこでもらう のは二つ目の蒼頡像でありました。『蒼頡たちの宴』 (武田雅哉著 ちくま学芸文庫)
寒さが今が一番、インフルエンザやコロナに負けない ように手洗いうがい、何ごとにもしっかりと前に進んで 楽しみながらいきましょう‼
条幅作品の解説
阿 保 幽 谷
○語句―天 緑 永 昌
○読み方―てんりょく えいしょう
○意味―世の中は緑いっぱいに長く明るい
○学び方
● 心構え―世の中には、良いことも悪いこともたくさんある。どうやって世の中を 良くするかというとやはり暗いことよりも明るいものを人々は求めて生きている。
それは、大自然のように緑いっぱいに明るかったら、人の心もなごんでくる。そ れが永く続いたら世の中はいつまでも楽しい。そうありたいと願いながらこのこと ばを書いていきたい。
● 書体―行書体
● 墨色―濃い墨を筆につけ、筆の先にすこしうすい墨液をつけて書いた。
● 用紙―半切、画仙紙(中国画仙)
● 文字―たて四文字
● 全体のまとめ方
中心をそろえる。文字の大きさは大体同じぐらい。余白をあけるように文字はあ まり大きくしない。
● 文字のまとめ方
天は、はじめの横画を太く長く書く。それでいて、最後の点は右下へ少し離して 書き、バランスを保つようにした。
緑は、へんとつくりの間をはなして二つ文字があるようにした。これは天が中心 にななめの線があって、つまっているようであるので、次の緑は中心をあけて変化 をつけた。そして起筆の線を長く、右下を右によせ、たての線に変化をつけて終画 を右に長く細くした。
永は、たて画を太く、左を太く短く、右を細く大きくして変化をつけてみた。
昌は、細く大きく、二つの日を変化させ、上を小さく、下を大きくした。この昌 は、はじめの天とつりあうように心掛けた。
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