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 先生からの言葉(巻頭言



日本文字」を伝えよう(二)
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


 日本の書は中国の書の影響をうけながら成長発展して来たこ とはいうまでもないが(漢)カンの多様性は漢族の複合民族性 で説明される。黄河流域の中原を求めて集まった諸民族が長い 年月の間に融合して、共通のアイデンティティーを築き、全体 を統括する人物が王朝を建てた。夏の時代には人々は夏人と名 乗り、秦の時代は秦人、漢王朝では漢であった。今日、漢の名 が残り、民族の名前になった。その漢族の言語が漢語であるが、 「周辺からの同化の末、漢語には北京語・上海語・広東語・客 家語・福建語の五大方言が生まれ、互いに理解が困難なほどで ある。客家語などは周囲の漢語方言とはまったく異なるが、古 く漢語に源流をたどることができるため、客家も漢族と認定だ れる。」と述べている。
○訓読「から」「漢」を「から」と訓読するが、あわせて「韓・唐」 も「から」と読む。海外からの文物の渡来を近代まで、船によ って運ばれるという意味で舶来の語を用いている。古代の舶来 物を「から」の語を冠して珍重していたことはうなずける。 「韓」は平成二三年改訂の「常用漢字表」に「カン」は音の「漢」 のみで訓は無い。
「唐」には「トウ」の音と「唐織、唐草模様」の語を例示して「か ら」の訓を示す。
 古朝鮮の三国時代には半島の南部に馬韓・弁韓・辰韓があっ た。その終末と漢の始まりの時期とは重なり合うので、「から」 の和訓は「韓」に始まると考えてみた。『万葉辞典』(佐佐木信綱 著 中央公論社 昭和一六年)の見出し表記には「からくに 韓 国(地名)」からくにの韓国の(枕詞)、からころも 韓衣(名詞) とあるが『新校 万葉集』(佐伯梅友著 楽浪書院 昭和二年) によると、本文は一字一音に万葉仮名表記「可良久尓」である。 今年も全国より、第三十二回展覧会の作品がたくさん届いて、 今から楽しみ。

7月度スピーチ


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