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 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


神無月、天高く馬肥ゆる秋、萩が咲き乱れるころにな り、書研の大イベント第三十六回全国書写書道展覧会も コロナ禍で皆様の御協力で成功することが出来ました。 本当にありがとうございます。
 漢字指導について国民の要望が高まり、受験戦争のあ おりも避け、教育漢字が「当用漢字表別表」から分離し て、指導要領の「学年別漢字表」となることとなりまし た。第三は、新しい学習指導要領の進行が大詰めとなっ ていたことも考えねばなりません。その根本には、教育 によって正しい日本語を、日本文字を愛護する精神を養 うことが求められていたのではないでしょうか。
 このような経過の中で、昭和五三年六月、文部省によ って次のような委員会が招集されました。「教科用図書 検定基準等改善のための調査研究会書写字体小委員会」 五人の学識経験者・出版社・現職小学校教員により構成 された委員会でした。前後五回の審議の結果、新指導要 領により発表された「学年別漢字表」について、急激に 変更する必要は無いとの結論のようです。本章の結びと して、再び、文字にならなかった旧稿「序ー文字を教え るとは」の救援を受けました。「現在の学校教育で、文 字を教えるとはどういうことであろうか、第一の条件は 「文字」が存在することであり、第二は教える教師と教 えられる児童との関係が存在しなければならない。」で は「文字が存在する」とはどういうことであろうか。我 が国の文字表記は、漢字仮名交じり文が通常の形態とな っている。その流通・通用・伝播・変還、そして源流に までさかのぼるためには、国語学・国語史・歴史・社会 学等の救援をまたねばならない。高等学校指導要領国語 の目標に掲げられた「言語文化」探求の営みであり、文 化の伝承そのものであります。このつづきは来月号で、 楽しみにしてください。


条幅作品の解説
阿 保 幽 谷
「菊 花 寿」
○書体―行書体
○読み方―菊花の寿(きくかのじゅ)
○意味―菊花のお祝い。
  九月九日は、重陽の節句といいます。しかし、菊の花が咲くのは十一月が多いので、  今では十一月三日をお祝いします。全国の花屋さんでも菊の花が一番多く売れるとい  いますが、花でも菊の花は長持ちします。それに、菊は長寿の花といって、昔は菊の  花の上にうすくまわたをのせて、それに露がおりるとそれをのむ、この水が長寿につ  ながるといわれていました。それほど人々にしたしまれているのが菊の花で、この菊  の花をお祝いして長生きをしたいものです。
○学び方
 ● 心構え―長寿を祝ってこのことばを書きましょう、
 ● 全体のまとめ方―三文字で、下へ行くほど大きく書きます。したがって、はじめの  「菊」という文字を大きく書きすぎないようにしましょう。
 ● 文字のまとめ方―「菊」は少し長方形ですが正方形に近く、「花」は少し横長に書  きます。「寿」は思い切ってたてに長く書きます。こうした、文字の形の変化が見る  人にあきを感じさせないものです。
  特に「菊」と「花」のくさかんむりを小さめに書きませんと文字は大きくなってし  まいます。太くても小さく書くのが文字を大きく見せるコツです。
 ● 用筆(筆づかい)―筆づかいは、起筆に筆圧を加えて力強く書きます。特に、起筆  から送筆に移る時、力が抜けないように、逆に起筆から送筆に移る時は、少しずつ筆  圧を加えながら線を引き、それから軽く筆をあげるようにすると、線全体に力強さが  あらわれます。それに気脈が続いていくように書きましょう。
 


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