チャンスに向かって
全国書教研連盟会長 村上美碩
六月の風が心地よく感じられる季節となりました。新
緑が芽吹き自然の息吹を感じながら書写書道に取り組む
この時期は、梅雨の季節でもあり、そのしっとりとした
空気は墨の濃淡を美しく映し出し、作品に深みをもたら
すとともに、心も落ち着かせると思います。
時には雨音を聞きながら筆を運ぶなど自然の流れと調
和し、一文字ごとに気持ちが込められるのではないでし
ょうか。書写書道を新たに始めた方も日々の練習を通じ
て少しずつ上達し自分の楽しさを見つけてください。
そして六月は、全国書教研連盟にとって一年の集大成
の一つともいえる第三十九回全国書写書道展覧会の作品
応募期間に入りました。全国書写書道展覧会の開催を控
え、心も新たに準備を進めております。皆様も日々の稽
古を重ねる中で、この展覧会は努力の成果をお披露目す
る貴重な機会です。また、この展覧会を通じて多くの方
々に、皆様の成長や挑戦の軌跡を感じていただき、あら
ためて書写書道の魅力を伝えられればと思います。
今回の展覧会に向けて、指導者の先生や仲間たちとと
もに切磋琢磨しながら、より深い理解と技能の向上を目
指していただきたいと思います。
作品応募期間は、六月一日(日)から七月八日(火)
です。皆様の素晴らしい作品を楽しみにしております。
条幅作品の解説
阿 保 幽 谷
○年豊人楽(行書)
○読み方=年豊人楽(年豊かに 人楽しむ)
○意味=穀物がよく実り、人々が喜ぶ という意味。
人々は年が豊ると、人が楽しぶというように、その年が豊年であれば人々は皆喜ぶ、国
が栄えるからである。
・心が楽えると 人は楽しむ
・全体のまとめ方=四文字がどのくらいの大きさで書けばまとまるかがわかる。
中心をそろえて書くとよい。又、一枚の紙に四文字をそろえるには、四文字を分け、
中心と文字の間隔をそろえればまとまる。
紙面内の大きさは、この場合三つであるが、四文字の大きさにあわせて書くと良い。
印と合わせて四文字に入れてみる。
・用筆―線の書き方は、中心にあわせて書く。
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