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 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


吹く風がすがすがしく初夏を運ぶこのごろ、相変わら ずのコロナの恐怖で心がいたみます。こんな中でも書研 は三十五回書写書道展はしっかり前に進めて努力してい ます。学びを止めないように力を合わせていきましょう。
 では仮名文字について常識的に、戦前は片仮名を先に 習い戦後は平仮名を先に習うという感じで精査すると次 の如くになります。
 江戸時代から明治のごく初期にかけては、平仮名先習 制度として(先に書いてある方を先習と考えます。)
 明治五年「小学教則」「・・・平仮名片仮名ヲ教フ」 明治一〇年 学区巡視報告「いろは愈レルニ如カス故ニ 五十音ハ子女ノ急ニスル所ニ非サルナリ」明治一四年  「小学教則要領」「初等科ノ読方ハ伊呂波、五十音…」 明治二四年「小学校教則大綱」習字 片仮名乃平仮名  教科書関係  明治六年『小学教師心得』諸葛信澄 下 等小学第八級「読物・五十音図ヲ教フルニハ」明治七年 『小学読本』文部省刊 榊原秀野(平仮名先習)明治七 年『小学読本巻一』文部省編纂(平仮名先習)明治八年 『小学校授本』藤井惟勉 伊呂波五十音図(平仮名図先 出)明治八年『習字手本』村田海石書 師範学校編 文 部省発行(平仮名先習)明治九年『小学読本便覧』文部 省編纂(片仮名先習)明治一七年『読方入門』文部省 「平仮名片仮名ヲ授クルハ何レヲ先ニスルモ妨ゲナシト 雖モ」明治一九年『読書入門』文部省「…片仮名ヲ先ニ シテ、平仮名ヲ後ニスル所以ナリ。」 寺子屋などの平 仮名先習で始まった学習も、直線で書きやすいというこ とで片仮名先習となっていました。戦後昭和二一年度ま で続き、昭和二二年平仮名先習の教科書を作成し始めま した。世の中の変化は文字からも読みとれます。どうぞ 自分の身は自分で守って行きましょう。


条幅作品の解説
阿 保 幽 谷

竹 聲 松 影
○書体―行書
○読み方―竹 聲 松 影
○意味―風が吹いて竹が響き、月がてらす松の影という春の様子
○作者―許 斐  架 染 梨
○全体の書き方
 ● 文字の長短―「聲」と「影」を長く、「竹」と「松」を四角形に。
 ● 中心―そろえる。
 ● 署名―小さく、真中の上から書く。
 ●墨つぎ―「竹」と「松」の二ヶ所
 ●文字の書き方
  ・四つとも、文字は大体同じ余白をとる。
  ・文字の大きさ―「竹」と「松」を同じにし、「聲」と「影」をたて長にする。
  ・署名は小さく。
  ・文字は、はなれているが、つながるように。
 ●線の書き方
  ・線と線はつながるようにして放つ。線がつながると、文字と文字とがつながり、作品全体がつながっていく。
  ・遠近感―墨つぎが大切である。墨の濃いところは近くに見え、遠いところはかすれて見える。書道は墨一色で遠近感を出す。これが大切である。
  ・署名―署名も作品全体として見ていくから、「影」が書き終わっても、そのまゝの筆で署名もかいていく。次第にかすれていくが、これが大切になってくる。
  ・筆―筆は、半紙を書く時の筆でも大筆を用いる。半分以上おりていないと書けない。
  ・墨の濃さ―濃墨を用い、濃い墨の方がかすれがよく出る。
  ・木文と署名との関係―一行目の本文は右上となり、署名は印を押しても一行目より上で終わるように工夫することが大切である。二行目に印を押したとき、一行目より下にくると、署名の位置が悪い。そのように空間がとれない時は、用紙の半分の上から書けば署名も印も押せる。印を押し間違えるとせっかくの 作品が大なしになるので気をつけたい。
 


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