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 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


菊の香りの季節となり、時の流れの早さにいつも驚く ばかり、日常の中でもゆっくりおだやかな時間だと思い ます。さて辞書について学んで行きましょう。
*『日本国語大辞典』(日本大辞典刊行会 小学館発行  第一巻 昭和四七年 第二〇巻 昭和五一年完)「辞書」 を見出し語として「辞典ともいう。」とあります。その 「辞典」については、「「辞書」のやや新しい呼び方。明 治以降、辞書名に用いられるようになった。」と次のよう な例をあげています。  
明治一一年『日本小辞典』(物集高見)  
明治二一年『和漢雅俗いろは辞典』(高橋五郎)  
明治二九年『日本大辞典』(大和田建樹)  
明治四五年『大辞典』(山田美妙)
「ジテン」と発音が同じものについては、便宜的に「辞 典(ことばてん)」「字典(もじてん)」「事典(ことてん)」 と呼ぶ場合がある。」としています。
*『大辞林』(松村 昭編 三省堂発行 平成一〇年初版)
「辞書」多くの言葉や文字を一定の基準によって配列し、 その表記法・発音・語源・意味・用法などを記した書物。
・・・辞典。辞彙。語彙。字書。字引。
「字典」漢字を集めて一定の順序に配列し、その読み・ 字源・意味・用法など記した書物。漢字の辞典・字引・ もじてん。
「辞典」いろいろな言葉を集めて一定の順序に配列し、 その表記法・発音・語源・意味・用法などを記した書物。 辞書。字引。
「事典」事物や事柄を表す言葉を集めて一定の順序に配 列し、解説を施した書物。
「字引」①「辞書」に同じ。②「字書」に同じ。﹇注 このよ うに見てくると、明治から大正の初期頃までは「字引」 が関係類語を統括していることが推察される。﹈となっ ています。
 今月は書道をゆっくりと楽しむときだと思います。な にごとも努力して進んで行きましょう。

条幅作品の解説
阿 保 幽 谷

「菊 花 寿」
○書体 ―行書体
○読み方 ― 菊花の寿(きくかのじゅ)
○意味 ― 菊花のお祝い。
  九月九日は、重陽の節句といいます。しかし、菊の花が咲くのは十一月が多いので、今では十一月三日をお祝いします。全国の花屋さんでも菊の花が一番多く売れるといいますが、花でも菊の花は長持ちします。それに、菊は長寿の花といって、昔は菊の花の上にうすくまわたをのせて、それに露がおりるとそれをのむ、この水が長寿につながるといわれていました。それほど人々にしたしまれているのが菊の花で、この菊の花をお祝いして長生きをしたいものです。
○学び方  
●心構え ― 長寿を祝ってこのことばを書きましょう。  
●全体のまとめ方 ― 三文字で、下へ行くほど大きく書きます。したがって、はじめの  「菊」という文字を大きく書きすぎないようにしましょう。  
●文字のまとめ方 ―「菊」は少し長方形ですが正方形に近く、「花」は少し横長に書き  ます。「寿」は思い切ってたてに長く書きます。こうした、文字の形の変化が見る人に  あきを感じさせないものです。   特に「菊」と「花」のくさかんむりを小さめに書きませんと文字は大きくなってしま  います。太くても小さく書くのが文字を大きくみせるコツです。
 ●用筆(筆づかい) ― 筆づかいは、起筆に筆圧を加えて力強く書きます。特に、起筆  から送筆に移る時、力が抜けないように、逆に起筆から送筆に移る時は、少しずつ筆  圧を加えながら線を引き、それから軽く筆をあげるようにすると、線全体に力強さが  あらわれます。それに気脈が続いていくように書きましょう。
 


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