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 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


また暑い夏となりました。書研も三十五回展にむかい スタッフ一同作品の仕分けで少しでも前に進められるよ うに頑張っております。日本はコロナに打ち勝ちオリン ピックも開かれて二年ぶりに明るい話題となりました。
 世の中の変化は、大きな拠り所となったのは日本国憲 法改正草案要綱(昭和二一年三月六日)の漢字片仮名交 じり文が、同年四月一七日に漢字平仮名交じり文の憲法 改正案が発表され、翌一八日には、「各官庁における文 書の文体等に関する件」等、次官通達も次のように発表 されました。「文書及び新たに制定する法令の文体・用 語・句読点等は、今回発表された憲法改正草案の例にな らうこととし・・・」と完全に漢字平仮名の時代になり ました。その後、仮名の先習についての議論が交わされ たが、昭和三一年五月七日の教育審議会は文部大臣に次 のように答申をし、平仮名先習の学習指導が継続されて います。
「ひらがなをかたかなより先に教えるという現行の方針 は改定する必要は認められない。ただしかたかなの学習 についてはさらに徹底を期することが望ましい。」昭和 二二年の新学制以降、「教科書を教えるのではなく、教科 書で教える」とそれまでの学習指導を批判する言葉がか わされました。また、指導法の直接的な技術向上の方策 として、研究授業という形式が行われていました。「研 究授業ではなく、学習研究」との言葉も言われた時代が あったが、いつしか「研究授業」の語が復活したように 思われました。要は児童生徒の学力を伸ばすことです。 そのためには教師の絶えることのない研修以外にはない のです。
「教科書は一国の文化のバロメーター」と考えます。コ ロナワクチンも早く日本国中にいきわたり、以前のよう に皆で展覧会を見ることが出来ますように。一人一人注 意していきましょう。


条幅作品の解説
阿 保 幽 谷

○作品―玄 妙 之 境
○読み方―玄妙の境
○意味―もとの文字はこれからはじまる。
○通釈―もとの文字はこれからはじまる。
○作品の学び方
 1 全体のまとめ―年をとると若い時の元気のある角を立てるということがなくなる。それだけに年をとると角がとれるといわれる。
   すぐ、おこるということがなくなる、その作品がこれである。だから、「九成宮醴泉銘」のような角ばったところがない。おだやかで角の取れた文字がこれである。おだやかで、角のとれた人間も晩年になったつもりで書くとよい。
 2 文字について―はじめにかるく入れ、中ほどまで太くしていく、終筆はまた   細くしていくように書くと、栄養のある手足のようになる。たえず途中を太くするように書く。
 3 線は2と同じように、文字も線も途中を太くしていくように書く。それが、孔子廟堂碑の線である。九成宮醴泉銘を書いてから、この文字を書くともっとよくなる。
○筆は―毛筆・・・ふつうの半紙を書くつもりで書いた。
○墨は濃い墨をつかうとよい。
○紙はどの半紙、条幅をつかってもよい。自分で書きなれた紙を使うのが良い。
 


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