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 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


  王朝の歴史は、次の王朝の業務とされている。たとえ前王朝 を放伐したとしても、禅譲によって王朝を継承したとする礼儀 によって、前代の歴史を整備する。それによると、明王朝の成 立は一三六八年であるから、元史の成立はそれ以後となろう。 であるからこの資料からすれば一四世紀後半ということになろ うか。『辞海』(中華書局刊行 民国二五年 西暦一九三六年) 〔漢字〕謂中国固有之文字也(中国固有の文字を謂う)
『中文大辞典』(台湾 中国文化研究所編 一九六二年)〔漢字〕 漢族人之文字也対蒙古文字而言(漢族人の文字なり、蒙古文字 に対していう)このように調べてくると、「漢字という名称は中 国自ら名付けであるのかどうかということになった。
②誰・所 その次に得たのは、次の資料である。『詳解漢和大辞 典』(服部宇之吉著 冨山房 大正五年)漢字 カンジ(邦)中国 の文字。(国字)」
(邦)についてその凡例によると、
「(三)漢語とまぎらわしい日本語には、(邦)の符号をつけ加え てこれを区別した。」とある。すなわち「漢字」の名付けは我が 国というのである。ここまできたのは昭和六〇年頃であった。
当時「漢学」誌の連載記事「書道・国語教育史資料紹介」を担当 しており〔「漢字」その名付けについて〕の題目も考慮していた。
日本の語であり漢語ではないとする説があり、中国で編纂した 古字書には見当たらず、その点から漢字なる熟語は中国にはな く、即ち漢語ではなく日本で作った熟語であることは判然とし た。漢字は中国で発明され、中国で使用されて来たものである から、漢字以外の文字は中国人の思考の中には無く単に「文」 または「字」あるいは「文字」で足りているので「漢字」とい う語は必要なかったのである。
10月度スピーチ
 


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