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 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


令和初の明けましておめでとうございます。今年は東 京オリンピックの年です、書写書道の実力向上のために も実践できる目標を立て、達成を目指して精進していき ましょう。
 さて教科書の名称はだんだんと安定して大正時代、昭 和へとなり、昭和十六年三月一日に「小学校令」改正と なり「国民学校令」が交付され、国家主義的な色彩が濃 厚と評されましたが、文字教育について従来になく整備 されてきました。まず教科名が「国民科・理数科・体錬 科・芸能科・実業科」となり、文字関係では国民科に「国 語」科目、芸能科に「習字」科目が含まれました。「国民 科国語」の内容とし「国語ニ於テハ読ミ方綴リ方書キ方 話シ方ヲ課スヘシ」とあり、「書キ方ニ於テハ文字ヲ明確 端正ニ」硬筆による文字学習でした。『コトバノオケイ コ一・二』(第一学年用)『ことばのおけいこ』(第二学年) が編集され、明治以来の画期的な教科書とされました。
「国民学校令」に続いて、「中学校規定」「高等女学校規」 「実業学校規定」(昭和十八年)においてもそれぞれ科目 名が「芸能科書道」となりました。国民学校では芸能科 に「裁縫」が含まれていたが、高等女学校では「家政・ 育児・保健・被服」が「家政科」となっていました。
 戦前の「芸能科」を引き継いで、新学制となり昭和二 三年に発足した「新制高等学校」でも「芸能科書道」であ り、昭和二二年四月の「新制高等学校の教科課程に関す る件」では、「選択科目」として単純に「書道」と記載が あり、翌二三年一〇月の「新制高等学校の教科課程に関 する件改正」で「芸能科書道」となり、男女共学を建前 としていました。
 学校教育の変化と時の移り変わり、「温故知新」から学 んで行きましょう。二月は令和二年の一回目の検定、し っかり学んで一歩一歩前に進んでください。


条幅作品の解説
阿 保 幽 谷

萬 古 清 風
○書体―行書(四文字)
○読み方―ばんこ せいふう
○意味―いつまでも 尽くことのない清い風。

○学び方
 ● 全体のまとめ方
  ・文字の大きさをそろえる
  ・中心を一つにする
  ・墨つぎ―「萬」と「清」の2ヶ所、墨つぎの変化により遠近感をあらわす。
  ・署名―小さく、間を同じようにあけ、書く位置は真ん中の少し上から書く。墨は大筆で残った量で書く。  
 ● 文字

○書道と書写の関係
  ・文字と文字のつながり、線と線のつながりに気をつける。あとで全体を見るとこのつながりがしっかりしていると、全体が一つの文字に見える。
  ・墨つぎ―「萬」と「清」で墨をつけるので、「古」と「風」はかすれていく。これが近代の書の傾向である。したがって、署名も大筆で残ったまゝに書く。但し、署名は文字が小さいので気をつける。
    そのあとに、少し間隔をおいて「印」を押すとよい。やはり、中心はそろえる。
 ● 線―線はつづくように書く。「萬古」でひといき、「清風」でひといき。但し、「古」と「清」はつづくようにする。
 ● 署名―間隔を同じように十分あける。これも書の仲間なので「変化と統一」に気をつける。
 ● 墨色―「萬古清風」は〝開明〞普及品「書仙」を使った。  
 


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