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 先生からの言葉(巻頭言



「日本文字」を伝えよう
全国書教研連盟会長
安 藤 隆 弘


皐月、新緑の気持ちの良い日々が続いて、若葉がさわ やかに目にしみるころになりました。今年も第三十六回 全国書写書道展覧会を九月二十四日二十五日、文京区シ ビックセンターと区民センターで行う予定です。コロナ 対策をしっかりして今から練習して行きましょう。
 第三期 活字教科書体期 昭和一〇年〜 三年生巻五 前期用から印刷方式の変更となる。「書道」誌(雄山閣  昭和九年六月)では「国定教科書の活字採用」につい てとして次のように報じています。「小学校の国定教科 書使用文字は明治五年学制発布以来木版を使用してきま したが(最近一部に凸版使用)六十二年来の伝統を破っ て今後全部を活字に改め先ず明年(昭和十年)四月から 使用する新小学校国語読本巻の五(三年生前期用)から 試みることとなり文部省当局が体裁其の他につき研究中 であるといふ。現在の国定教科書の木版下は書方本を除 き井上千圃氏が二十年来一手に引受、毛筆で丹念に書い て来たものであるが、どんなに急いでも一日七枚以上は 書けないといふところから、今年のやうに各科にわたっ て改正が行はれると四月の新学期に間に合はないといふ ので、活字になったものらしいが、現行活字は文字学上 疑問のあるものが少なくないであらうから、この点をい かやうに解決するか注目される。」このような経緯によ って井上千圃の版下から教科書印刷会社(東京書籍・日 本書籍・大阪書籍)によって活字が作られました。その 種字は虎見根松陽・陽造父子が彫った(『ひらがな』佐 藤敬之輔著 丸善刊)とされています。また、「五藤鉄 太郎が種字を彫り、これによって日本書籍は活字による 教科書体を初めて作る。」(『明朝活字』矢板勝美著  平凡社)ともされています。このように少しずつ現存へ とつながっていきます。


条幅作品の解説
阿 保 幽 谷
○作品―潜 寒 暑 生
○読み方―寒暑を潜んで生きる。
○意味―寒さ、暑さを含めて 生きる。
○大意―人間は、寒い時も暑い時もじっと我慢して生きている。だから、人間はどう  いう時でもしんぼうが大切になってくる。
○作品の学び方
  ● 書体―行書で、「王羲之」の「王右軍聖教序」二頁の二行目を考えて創作した。   ● 文字―画仙紙に一行四文字とした。
  ● 筆―半紙を書く毛筆を用いた。
  ● 全体のまとめ方   ・文字の中心―そろえる。
  ・余白―天地・左右 それに文字間も大体そろうようにあける。(あけ方は続いて    書く時の要領)
  ・文字と用紙とのつりあい―文字が用紙より大きくならないように、余白を考え    て書く。
  ・墨つぎ―変化をつける。そのために「潜」で墨をつけたら「寒」「暑」と三文字を書き「生」を墨をつけ直すとよい。
  ● 文字の書き方
  ・四文字とも変化をつける。墨つぎと文字の形に変化をつける。
  ・文字のスタイル―文字の形は、線を長く書いたり、短く書いたりするが、どう    しても手本のように書けなかったら、八頭身になるようにスタイルをよくする。    すなわち、文字には一つか二つの長い線がある。その長い線を長めに書いたら、    あとの線は短くしたり、線と線との間をせまくすると、スタイルはよくなる。
   例「  」はよい。「   」はよくない。
  ● 線の書き方………線は―墨色と線の細太で変化をつける。特に墨をつけた時は   太く、かすれたら細く書くと「書道」らしくなる。
 


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